今回でケアレスミスを防ぐテクニックは最終回です.
テクニックその6 単位法 を紹介します.
これは化学や物理でとても役に立つ方法です.
どういう方法かというと,簡単に言えば単位があっているかを確かめるという方法です.
単位には,m(メートル), s(秒), kg(キログラム)など,さまざまなものがあります.
しかし,値を足し合わせることができるのは,同じ単位をもつ値のみです.
(1[m] + 1[kg] には意味がない)
そのため,式中で足し算・引き算を行なっている場合,それらが同じ単位でなければ間違っているとわかります.
また,答えの値が正しい単位になっているかを確かめる,という確認方法もあります.
しかし,単位を確かめようと思っても,複雑な式になっている場合はどうすれば良いでしょうか?
例として,以下のような式を考えます.(等加速度運動の公式です)
単位 : $x$ [m], $v_0$ [m/s], $a$ [m/$s^2$], $t$ [s]
この場合,$v_0t$や$\frac{1}{2}at^2$の単位を知らなくては確認できません.
実は,掛け算・割り算を行った値の単位は,単位を掛け算・割り算したものになるのです.
$v_0t$の場合は,[m/s] $\times$ [s] = [m]
$\frac{1}{2}at^2$の場合は, [m/$s^2$] $\times$ [s] $\times$ [s] = [m]
また,$x$ も [m] なので,すべて揃っていることがわかります.
上の例のようにすべて文字になっていればわかりやすいのですが,数字が入っている場合には注意が必要です.
たとえば,先ほどの式に,$a=2$が代入された場合,
となり,$t^2$ の単位が[$s^2$]のように見えてしまうからです. そのため,数字が混じっている場合には,数を計算する前,もしくは代入する前に単位を確認することが重要です.
今日のポイント
単位法(単位があっているかを確かめる)