今回は計算過程でのケアレスミスを防ぐテクニックその4 極限法です.
これは前回説明した代入法とよく似ています.
代入法では文字にある値を代入して確かめましたが,極限法では文字の極限をとります.
例1
上側の式の左辺を$x\to \infty$とすると左辺 $\to \infty$
下側の式の左辺も$x\to \infty$とすると左辺 $\to \infty$ となり,一致します.
例2
問
1つのさいころを投げ続けて,同じ目が2回連続して出たら終了するものとする.
r回目以内に終了する確率を求めよ.
求めた答え
確認
$r\to \infty$とすると求めた答え$\to 1$となる.
問題文で考えると,ずっと投げ続ければ($r\to \infty$)どこかで同じ目がでて終了するはずなので,確率は1に近づくはずである.
よって一致する.
前回の代入法をつかって$r=0, r=1$を代入して確かめると更によい.
この方法のメリットは代入法と同じで,計算が比較的簡単なこと,離れた数式でも比較できることです.
デメリットも同じで,間違いが見つかるかどうかわからないところです.
代入法と比べると,極限法は計算がより楽ですが,その分,間違えていても一致するという場合が多くなります.
例1で考えると7,4が別の数字になっていても,極限の値は一致してしまいます.
そのため,これはあくまでも確認程度のもので,極限が一致した所で正しいという保証はないということを忘れないでください.
今日のポイント
極限法(文字の極限をとる)