今回は計算過程でのケアレスミスを防ぐテクニックその2,逆戻り法です.
これは,計算や式変形を行った後の式から,計算前・変形前の式に戻すことが出来るか(戻して一致するか)を確かめるという方法です.
この方法のメリット・デメリットを説明します.
メリットは,この方法が使える式であればほぼ確実に間違いを見つけることができることです.
反復法では2回とも同じ間違いをしてしまうことはしばしばありえますが,逆戻り法では行う計算が異なっているために同じ間違いは起こりにくくなります.
もうひとつのメリットは,計算後から計算前への変形が簡単な場合に,確かめが簡単になることです.
例えば,因数分解はこのような例です.
という因数分解は,
と展開することにより確かめられます.
また,簡単な引き算も意外と間違えてしまうことがありますが,
と計算した後で,
として確認することができます.
デメリットは,積分計算や∑の計算などのもとに戻すことの方が難しい計算があるということです.このような場合には,別の方法を使ったほうがよいでしょう.
どのような場合に有効で,どのような場合に役に立たないのかは,いろいろな問題を解いていくなかで試して確かめてみてください.
今日のポイント
逆戻り法(計算後の式から,計算前の式に戻すことが出来るか確かめる)