が両方とも成り立つ時, $$ p \iff q $$
と表わせ,pとqは同値である,またはpはqであるための必要十分条件であると呼びます.
この同値というものがどうして重要かというと,数学の解(最終的な答え)というのは基本的には問題と同値なものであるからです.
少し具体的に見ていきます.
簡単な例ですが,次のような問題文を考えます. $$ x(x-1) = x ~~を満たすxを求めよ $$
誤った答え1
2行目の$x-1=0$というのは1行目に対する十分条件ですが必要条件ではありません.
$$ x(x-1) = x \Leftarrow x-1 = 1 $$ は正しいが,
$$ x(x-1) = x \Rightarrow x-1 = 1 $$ は誤り.
このように,問題に対して十分条件(必要十分ではない)を考えてしまうと,求まった解は確かに問題の条件を満たすけれども他の解を見落としている,ということになります.
誤った答え2
この場合は,3行目の$x-1\ge 0$というのは1行目に対する必要条件ですが十分条件ではありません.
このように,問題に対して必要条件だけを考えてしまうと,求まった解には解が含まれているけれども絞りきれていない(解でないものも含まれている)ということになります.
正しい解
これでは,2行目,3行目ともに上の行と同値な数式です.
そのため,問題と同値な解を得ることができます.
今回は簡単な例だったので,正しい解のように解けることが当たり前の様に感じるかもしれません.ですが,問題が少し難しくなると,気づかぬうちに必要条件のみ,または十分条件のみ,となってしまうことがあります.
$x$ が $\cos{x}$に置き換わっているだけでも,誤りは増えてしまうでしょう.
問題を解く際には,必要条件十分条件を意識して,同値なものを求められているかに注意してください.
今日のポイント
解と問題は同値なもの