数学の問題は間違えなければ正解できると言いました.
では間違えないためにはどうすればいいのでしょうか?
数十行にわたる解答を間違えずに書くことはとても難しく思えます.
上から順番に,一行ずつしっかりと確認していけばそれほど難しいことではないのです.
例として,有名な証明「1+1=1」について見ていきます. (もちろん間違った証明です.)
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証明できてしまいました.
どこが間違っていたかわかりましたか?
「全体的に間違っている」,「なんとなくおかしい」などと感じてしまってはいけません.
数学では,”少し間違っている”ということはありえないからです.必ずどこかまでは正しくて,どこかから間違っているのです.
1行目は定義なので問題ないです.
2行目は等式の両辺に同じものをかけても等式は成り立つので正しいです.
3行目,これも等式の両辺から同じものを引いているので成り立ちます.
4行目は因数分解です.これも正しいです.
5行目は等式の両辺から同じもので割っているので正しい,といってしまいそうになりますがよく考えてください.割り算には0で割ってはいけないという条件があります.
実はA-1=0なので,ここで0で割ってしまっていた,というわけです.
つまり5行目が誤り(0で両辺を割っているから)となります.
今の例は比較的易しかったですが,どんなに難しい問題でも考え方は同じです.
解答を1行ずつしっかりと確認していき,誤りのない行を積み重ねていくことで,間違えない解答を作ることができるのです.
今日のポイント
上から順番に,一行ずつしっかりと確認